2010年05月24日

<口蹄疫>10キロ圏の全家畜処分 政府決定(毎日新聞)

 政府は19日、宮崎県で猛威をふるう家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)の新たな対策として、川南町など県央部に設定された家畜の移動制限区域(発生地から半径10キロ以内)で、未感染の牛や豚約20万5000頭にワクチンを接種した上で殺処分することを決めた。これにより、区域内の全家畜が殺処分される。その外側の搬出制限区域(同半径10〜20キロ)では、家畜をゼロにして感染拡大を防ぐ「緩衝地帯」とするため、早期の出荷を促す。対象農家には経営再開支援金などを交付することも決めた。

 国内で口蹄疫のワクチンを使う対策は初めて。今回の対策には、少なくとも300億〜400億円かかるという。首相官邸で開かれた政府の口蹄疫対策本部で鳩山由紀夫首相は「今まで以上に力強い対策を緊急にとる必要がある」と述べた。

 記者会見した赤松広隆農相によると、ワクチン使用は地元の首長や農協関係者の要望も受けて決めた。20日以降に接種を始める。対象の牛は5万頭、豚は15万5000頭。農家に支払う殺処分奨励金は1頭当たり牛60万円、豚3万5000円程度で調整している。

 宮崎県によると、感染・感染疑い例として殺処分が決まっている家畜は18日現在で約11万8000頭だが、処分済みは約6万7000頭にとどまり、未処分の家畜からウイルスが排出される状態が続いている。ワクチン使用で感染拡大のスピードを抑制し、殺処分頭数増加のペースを落とすことを目指す。

 一方、搬出制限区域の出荷促進策では、出荷適齢期に達しない段階で出荷したことに伴う損害を補償する。区域内で感染例はなく、現在も出荷が行われており、赤松農相は促進策を選んだ理由を「(政府側が肉を)買い上げて捨てるのは、汚染された物という前提になる。変な風評被害を生みかねない」と説明した。対象は牛1万6000頭、豚1万5000頭で、補償額は今後調整する。

 また、県西部のえびの市を中心とした移動・搬出制限区域も設定されているが、今回の対策は実施せず、別の対応を検討する。発生が極めて少なく、殺処分が遅滞なく行われ、ワクチン使用を地元側が求めていないことが理由。

 このほか、殺処分の際に家畜の扱いに慣れた人材が必要なため、県内の畜産農業者を雇い上げることを決定。感染が疑われた家畜に対する手当金交付の迅速化や消毒ポイントの見直しをするほか▽獣医師▽九州各県警の警察官が担う消毒要員▽埋却作業をする自衛隊員−−の増員も行う。【佐藤浩、神足俊輔】

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2010年05月19日

口蹄疫拡大で動物園休園、ヤギやキリン感染防止(読売新聞)

 口蹄疫(こうていえき)の発生拡大を受け、宮崎市フェニックス自然動物園(宮崎市塩路)は17日から休園となった。

 園内で飼育するヤギや鹿などへの感染を防止するためで、期間は未定としている。

 市などによると、園内ではヤギや鹿、キリン、ラクダなど感染の恐れがある14種類141頭を飼育。県内で感染の疑い例が確認されて以降、同園は入園口に消毒マットを置いたり、動物との触れ合い体験を自粛したりしてきた。

 出口智久園長は「口蹄疫が一日も早く終息し、来園者に動物たちをかわいがってもらいたい」と話した。

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2010年05月12日

郵便不正 「凜の会」発起人に有罪判決 大阪地裁(毎日新聞)

 障害者団体への郵便料金割引制度を悪用した郵便不正事件で、偽証明書作成に関与したとして虚偽有印公文書作成・同行使罪に問われた障害者団体「凜(りん)の会」(解散)の発起人、河野克史(こうのただし)被告(69)の判決が11日、大阪地裁であった。横田信之裁判長は「事件の中心人物で刑事責任は重い」として、懲役1年6月、偽証明書の没収(求刑・同)、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。

 判決によると、河野被告は04年2月、同会代表の倉沢邦夫被告(74)=同罪で無罪判決、検察側控訴=を通じて厚生労働省元局長、村木厚子被告(54)に、凜の会を障害者団体と認定する証明書作成の便宜を依頼。また同年6月には、元係長、上村勉被告(40)に催促し、村木被告の指示のうえで証明書を作成させた。

 横田裁判長は「倉沢被告に国会議員への口利き依頼を指示し、上村被告に催促するなど、事件に対する寄与の度合いが大きい」と述べ、河野被告を郵便不正・偽証明書事件の中心人物と認定した。

 問題の証明書を作成する職務権限は当時課長だった村木被告にあったため、河野被告には身分犯ではない公文書偽造罪の適用の可能性があった。この点について判決は村木被告との共謀について特に言及せず、河野被告が起訴内容を認めていることなどから「身分なき共犯」として虚偽有印公文書作成・同行使罪で有罪と判断した。

   ◇

 河野被告は判決後、大阪市北区で会見し、「事件の発端を作った私の責任は重い。関係者や社会に何度でも謝罪したい」と神妙な表情で話した。ただ、村木被告については「個人的な意見だが、村木被告の公判の様子を見て、事件にかかわっていないと感じた」と無罪との感想を述べた。控訴について、弁護人の岸上英二弁護士(大阪弁護士会)は「真実は何かという点では争う点があり、控訴するしかないと思う」との方針。今後2人で数日間話し合って決めるという。【日野行介】

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